新入社員はバッターボックスに立つことを恐れず、バットを全力で振ろう
新入社員の皆さんは、会社に入ってそろそろ3か月が経ちますがいかがでしょうか。
新入社員の皆さんの仕事を『野球の試合』に例えるとするなら、是非ともバッターボックスに立つことを恐れないで欲しいと思います。
実際の野球では、打順というのは順番に回ってきます。しかし、仕事ではバッターボックスに立つことが“挙手制”の時が多々あります。その時に、手を挙げて進んで打席に立とうとする人もいれば、「私はいいです」と拒否し続ける人もいます。ぜひこれをお読みの新入社員の皆さんは、手を挙げてバッターボックスに立つ人になってもらいたいと思うのです。
もっと言えば、実際の野球の試合では均等に打順が回ってくるものではなく、代打を出されてしまうこともあれば、1試合で3回しか打順が回ってこない時もあります。ですから、プロ野球選手ですら打席に立つことは難しいのです。
会社に視線を戻すと、「私はいいです」と拒否し続けるだけではなくて、「あのバッター、なんで出てきたんだ」などと批判したり、「あのバットの振り方はおかしい」などと野次を飛ばしてくる人もいます。自分は打席に立ちもしないくせに、批判だけはするというのは勝手な話です。
プロ野球選手がベンチでいくら大きな声を出していても、いくら文句を言っていても、試合に出て結果を出さなければ年俸はもらえません。もちろん、会社に入った皆さんには最低の給与が支払われますので、「ベンチにいてもお金は貰える」と思うかも知れません。しかし、会社はそんなつもりで新入社員を雇っていません。少しでも早く、率先してバッターボックスに立ってもらいたいものなのです。
せっかく会社に入って人生の時間を仕事に費やすわけですから、進んでバッターボックスに立って真剣勝負をした方がいいとは思いませんか。空振りの三振になったって、チャレンジし続けたほうが絶対にその後のキャリアにはつながるのです。
日本企業で問題になっているのは、チャレンジもせず、ベンチで文句を言いながら仕事を続けている人が、人の上に立ってしまった状態です。その上司が管轄している部署は当然ながら迷走し、社員はやりがいを感じられず、何も変わらないまま時間ばかりが過ぎていくのです。
それが平成の30年間、多くの日本の大企業の内部で起こってきたことではないかと感じています。ぜひ令和の時代に働く皆さんには、「バッターボックスに立つ」ということを意識してもらいたいものです。
バッターボックスに立つことで得られることは数多くあるのですが、1つに「量質転化の法則」というキーワードが挙げられると思います。
この法則の意味としては、一定量をこなしていくことで質も変化を起こしていくということです。つまり「仕事の質を高めたいと思ったら、まずは量をこなすことが大事」というわけですが、量をこなすためにもバッターボックスに立たなければなりません。
人間は楽をしたがる生き物ですから、ラクをして仕事の質を上げていきたいと考えます。しかし、仕事で成功したいと思うのであれば、社会に出てすぐの段階では、とにかく打席に立ってがむしゃらにやらないとダメです。量が質に転化するまでは結構な量が必要ですし、途中でやめてしまうと質が元に戻ってしまったりもします。圧倒的に量をこなしていくことで、ある瞬間から急に質が向上していくものなのです。
ただがむしゃらに量だけを増やすのではなく、意識的に質を高める方法もあります。バットを振れば空振りに終わることもあるでしょう。しかし、バットを振り続けていれば当たることも出てきます。ここで大事なのは、バットに当たった時に「やった、ラッキー!」と喜んで終わりにしてしまうのではなく、「成功を振り返る」ということです。なぜバットに当たったのか、なぜ当てることができたのか、その理屈を正しく理解していくのです。
失敗した時に「反省しろ」とはよく言われますが、考えてみると失敗をしてもなぜ間違っていたのかを反省するのは意外と難しいものなのです。ですから、とにかく打席を増やしてバットを振り続け、当たった時にその理由を突き詰めて考えいけば、上手くいく確率が早まっていくものなのです。
打席に立とうとする意識を持つこと。打席に立つ量を増やすことの効果。成功を振り返ることの強さ。ぜひこれらのことを頭に置いたうえで、日々の仕事に取り組んでいくと良いでしょう。