新人が忘年会に出るよう言われたらどう考えるべきか

先日、テレビで『忘年会スルー』という言葉が取り上げられていました。会社でこれから開催される忘年会に参加しない社員が増えているという話題でした。実際のところ、皆さんはどうでしょうか。「会社の飲み会なんて、わざわざ参加したくない」とか「参加するなら残業手当をつけて欲しい」とか色々な意見があるかと思います。

個人的には飲み会や忘年会は「自分の意志で判断すればいい」と考えているので、出た方がいいとも出なくてもいいとも言えません。会社の方針やその場の雰囲気に従えば良いのではないかと思います。ただ1つ、どうせ飲み会があるのであれば経験して欲しいことがあります。それは「幹事をやる」ということです。

幹事をこなす能力というのは、仕事にも役立ちます。ですから是非とも一度は経験して欲しいと思うのです。
では、どのような能力が必要で、どう活かせるのか、具体的に書いてみましょう。

・企画力

会社の飲み会であれば何らかの意味があって開催するケースがほとんどです。忘年会なのか新年会なのか送別会なのか歓迎会なのか。そのコンセプトに沿って、どのような飲み会にするのかを考えていかなければなりません。つまり企画の軸となる部分です。誰が主役になるのか、誰を立てるべきなのか、それによって会場も変わってきますし、個人個人の会費も変わってきます。そういった全体の企画力が必要になってくるのです。

・スケジュール調整力

飲み会において難しいのが日程の調整です。部署内の飲み会など少人数であれば良いのですが、忘年会など部署をまたぐものになると全員参加が難しかったり、大事な予定と重なっていたりすることが必ずあります。まずどのようにして調整をしていくかが大事ですし、誰の予定を優先していくべきかも考えなければなりません。また参加する人数によって会場も変わってきますので、ここをしっかり決めないと後で大変なことになってしまいます。

・ニーズの把握力

飲み会に求めるものは人によって異なります。あくまで例ですが、男性ばかりだったら賑やかで騒げるお店だったり、女性が多かったらお手洗いが綺麗なお店かどうか、座席ではなくテーブル席が良いのではないかといった配慮も必要です。また、喫煙者がどれだけいて、嫌煙者がどれだけいるのかも重要です。お酒が飲めない人がいる場合には、ノンアルコールのドリンクメニューが充実しているかどうかも重要です。

・リサーチ力や分析力

優れた幹事はお店に関する情報量が長けているものです。それは日頃からリサーチを欠かさず、気になるお店があったら実際に足を運んで体験しているのです。また、過去に先輩が開催した飲み会についても話を聞いてデータを収集しておくというのもポイントです。せっかく実績があるわけですから、その情報はストックして参考にすべきなのです。

・視野の広さ

当日に幹事がするべき仕事は、とにかく「気配り」です。誰に挨拶をしてもらうべきか、料理や飲み物が行きわたっているか、暑そうな人や寒そうな人はいないか、体調の悪そうな人はいないか、などとにかく気を配ることが重要です。これは後に組織をまとめるマネジメント力を養うトレーニングにもなっていくはずです。

・予算管理

会費の徴収をスムーズにしたり、明確にする必要があります。お金が絡む話ですので、ここを上手くやらなければせっかくの楽しい飲み会が台無しになってしまいかねません。上司から多めにもらうという場合も、スムーズに気持ちよく支払ってもらえるよう、事前に根回しをしておく必要があるでしょう。

このように箇条書きで書いてみても本当にたくさんの力が求められるのが分かりますが、仕事ではなくて飲み会ですから失敗しても会社がつぶれるわけではないですし、「新人だから仕方ない」と大目に見てもらえるはずです。むしろ失敗を重ねながら幹事力を養っていくことでビジネススキルも身について一石二鳥ではないか思います。

また、入社1年目というのはみなスキルや経験が足りないですから、個々を見てもそんなに差はないものです。ただ、仕事を任せられるかの判断について飲み会での振る舞いで判断されることもよくあるものです。飲み会は仕事ではないので、誰もが幹事をやることは嫌がるものでしょう。しかし、逆に考えると、皆が嫌がることを積極的に引き受けるというのはひとつのアピールになるはずです。

皆と同じ仕事をしているのに、自分だけ給料が増えて欲しいなどと願うのは虫のいい話ですし、まずありえないことです。やはり、人が嫌がることや避けたいことに積極的に首をつっこんでいくことで経験値が上がり、他人と違って評価されるようになるものなのです。それは幹事に限った話ではないですが、ぜひ「幹事、やってみる?」と聞かれる機会があったなら、このことを思い出して手を挙げてみて欲しいと思います。飲み会自体が面白くないものだったとしても、その場を作りだす「準備」に意味があるのですから。

 

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