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「巧遅より拙速」で動かなければ評価されない

巧遅より拙速

「実行」というのはとても重要なキーワードです。「実行なんて、ただ動けばいいだけだからトヨタだろうがなんだろうが大した差はないのでは?」と思われるかもしれませんが、トヨタの場合は実行の「質」が違うのではないかと思います。その1つの例として、実行におけるトヨタの考え方に古くより「巧遅より拙速」という言葉があります。「巧みに遅いよりも、拙くとも速く動こう」といった意味です。

仕事で指示を受けると、「いまやろうと思っていました」というような言葉を発した経験は、きっと誰にもあるのではないでしょうか。ただ、いくら頭の中で考えていても、行動が伴わなければ考えなかったのと同じことではないかと思います。それはPDCAを回すうえでも非常に重要なポイントになってきます。

計画に従ってやらなければいけないことがあれば、その場へ足を運び、実現性や問題点を探る必要があります。問題点に気づけば、実行する項目というのは大体どこかで似通ってくるものです。では人によってどこで違いが出てくるかといえば「行動」なのです。机上の計算で可能性をあきらめてしまうくらいなら、ダメもとで現場へ足を運んだほうがいいですし、机上の計算でやったつもりになってはいけません。腰の重さは判断を誤らせるもとですから、まず行動することこそ、判断における何よりの指針となるわけです。

 

実行する際、新しい取り組みに挑戦する場合、失敗はつきものです。トヨタの販売店の店長に聞いた話ですが、随分昔に「トヨタ式」と呼ばれる仕事の仕組みを店舗に導入した当初も、まさに失敗だらけだったそうです。誰もやったことのない日本独自のシステムですから、とりあえずやってみて、結果が悪ければ修正していく、ということの繰り返しだったそうです。朝に始めた試みを昼にチェックして修正することも多々あったとか。これはもう朝令暮改どころでなく、朝令昼改と言えるでしょう。

そういった歴史からも分かるように、どんなに頭脳明晰で優秀な人でも、行動が遅ければ評価されないのがトヨタです。動いてみれば、その方向が正しいのか間違っているのか見えてきます。正しければ進めば良いですし、間違っているなら引き返せば良い。階段一段でもいいから、とにかく前に踏み出すことが実行段階においては重要だということです。

 

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