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トヨタの改善思考は誰のためにあるのか

「改善」という言葉を聞いたことが無い人はいないと思いますが、では「改善とは何か」をしっかりと説明できるでしょうか。

トヨタにおける「改善」というのは、実に多くの示唆を含んだキーワードとして捉えられています。今あるリソースをこれでもかと改善して生産性を高めていくことがトヨタ式と言えるかも知れません。

では、生産性を高めるとはどういうことかと言いますと、「頑張らずに成果を出す」ということです。日本の企業ではどうしても「頑張る」ということを美徳としがちですが、トヨタでは昔から「自分がラクになることを考えろ」と言われていました。今までと同じ成果を出すのであれば、自分がラクになるようにしていく。それこそが、生産性の向上だというわけです。

また、何でもかんでも手当たり次第に改善をしていくのではなく、順序も教えられました。順序としては次の通りです。

①作業改善・・・自分の身の回りの作業においてムダをなくし生産性を向上させる。
②設備改善・・・職場の環境や設備においてムダをなくし生産性を向上させる。
③工程改善・・・業務フローや作業工程においてムダをなくし生産性を向上させる。

つまり、身近なところから改善をし、環境やフローへと徐々に規模を大きくしていくべきだということです。これは、身近なほうがやりやすいからというだけでなく、身近な作業改善によって知恵を出すことを覚え、大きな改善へと進みやすくしているのではないかと思っていました。

人にはどうしても「変えてみて失敗したらどうしよう」という恐怖心があります。多くの企業が思い切れないのは、「変えて悪化してしまったら責任問題だ」とか「それなりにうまくいっているから良いじゃないか」という気持ちが働いて足がすくんでいるからではないでしょうか。そんな状態にならないためにも、まず身近な作業改善をすることで、「作業興奮」を誘発させていたのではないかと思います。

「作業興奮」は心理学的な用語ですが、まず動くことで頭が活発に動き、大きなことも取り組めるようになるということです。

ではなぜ、そこまで「改善し続けること」を重視しているのでしょうか。現場で感じたのは、「お客様の存在」でした。

改善は、自己満足のために行うのではなく「すべてはお客様のため」と教えられていました。どんなに改善しても、お客様のためにならないことをやっていては意味がないということです。

整備の現場であれば「お客様を待たせないために、歩く導線をどのように改善できるか」と考えますし、開発の現場であれば「お客様が喜ぶ車をどうやって作るか」と考えています。お客様は変化していくものですから、企業も変化をしていく。それが、改善という考え方の根元にあるものだと思っています。

自分の仕事が円滑に進まないのをお客様のせいにするような企業をたまに見かけますが、言語道断だと思います。全てはお客様を起点に考え、そのために変化をしていく。それこそが「改善」だとトヨタでは言われています。

 

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